宇宙航空研究開発機構(JAXA)認定スタートアップの天地人(東京・中央)は、ベンチャーキャピタル(VC)のフロンティア・イノベーションズなどを引受先とする第三者割当増資で7億円を調達した。調達した資金を使い、現在は国内を中心に展開する水道管の漏水リスクを検知するサービスを海外に広げ、エンジニアの採用も増やす。

天地人は衛星から得られる地表面の温度のデータと水道事業者からの漏水履歴などを組み合わせて、人工知能(AI)で分析する「天地人コンパス 宇宙水道局」というサービスを手がける。今回の調達にはフロンティアのほか、VCのインクルージョン・ジャパン、信金キャピタル(東京・中央)なども加わる。

水道管が老朽化するなか、自治体が漏水の可能性のある水道管を検知するには費用や手間がかかっていた。宇宙水道局を使えば画面上に5段階で漏水リスクが表示され、効率よく点検作業を進められる。天地人は東京都や静岡県磐田市など40の自治体にサービスを導入し、漏水の発見効率が6倍高まった自治体もあった。

天地人は将来の新規株式公開(IPO)を目指し、アジアや欧州など海外でも宇宙水道局の事業を広げる。複数の衛星データを統合・管理できるクラウドの構築も目指す。

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