新浪剛史会長の辞任について記者会見するサントリーHDの鳥井信宏社長(左)と山田賢治副社長(2日、東京都港区)

サントリーホールディングス(HD)の鳥井信宏社長と山田賢治副社長は2日、東京都内で緊急記者会見を開き、新浪剛史会長が1日付で辞任したと発表した。記者会見は1時間半に及び、鳥井社長は「信頼回復に努めていきたい」と繰り返した。主な一問一答は以下の通り。

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――立件される前に辞任を判断した理由は。

山田氏「われわれがこの時点で新浪氏の辞任の判断をしたのは、有罪か無罪かという考え方ではない。サントリーグループの企業倫理や、サプリメントを扱っている会社の責任者としての資質の重大性を鑑みた。仮にこの先にどういう結果であろうが、今回のこと(決断)は変わることではない」

――なぜ解任でなく辞任なのか。

鳥井氏「取締役会では捜査結果にかかわらずサプリメントに関する認識は代表取締役として容認できないとの結論に至った。ただし貢献を考慮し、本人と協議のうえ辞任を受理する形とした」

――初めて本件を聞いた際にどのように感じたか。

鳥井氏「最初に聞いた時はびっくりした。深刻なものになる可能性があると思った。とにかく早くいろんなことをやらなきゃいけないと思い、動き出した」

――消費者イメージの悪化も懸念される。経営全体への影響は。

鳥井氏「消費者から色々指摘されるだろうし業績にも影響する可能性はあるが、全社一丸となって信頼回復に取り組んでいく。新浪氏の辞任は大変残念だが、残された経営陣が一丸となって顧客の信頼回復に努めていく」

――捜査の対象範囲と、株主や消費者に対する説明はないのか。

鳥井氏「警察が捜査中で詳細は申し上げられない。株主やステークホルダー(利害関係者)のみなさんには私が先頭に立って事情を説明する。一日でも早い信頼回復に努めていく」

――新浪氏は今までサントリーの国際的な顔だった。今後は誰になるのか。

鳥井氏「国内外を分けることなく二人三脚でやっていこうと思っていた。新浪氏がいなくなったことで、当然私がグローバルに色々とやっていく」

――新浪氏の後任選びは。

鳥井氏「サントリーHDは昨日までは2人の会長体制だったが、当面は佐治信忠会長1人で運営していくと考えている」

――佐治会長は何かコメントしているか。

山田氏「佐治会長からは『誠に残念である。その一言に尽きる』と言っていた」

――新浪氏本人はなぜ来ないのか。メッセージはあるか。

鳥井氏「捜査中という認識であり、新浪氏はすでに代表取締役会長を辞任しているため、本日、私が会社を代表して説明している」

山田氏「新浪氏からは『一身上の都合により役職を辞任したいとの申し出をし、受理していただいた。会長の仕事が続けられないのは残念に思っている』というコメントを受け取っている」

――経済同友会の代表幹事など外部団体の役職は今後どうなるのか。

鳥井氏「申し訳ないが、当社から答える立場ではない」

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