
三井化学は3日、ガス漏れ事故があった大牟田工場(福岡県大牟田市)のポリウレタン原料の生産設備について、8日に生産を再開する予定だと発表した。7月末にガスが漏れ、一部設備を停止していた。停止中は在庫で対応しており業績への影響は軽微としている。今後は再発防止策を強化する。
ガス漏れが起きたのは車のシートや建設資材などに使われるポリウレタン原料「トルエンジイソシアネート(TDI)」のプラント。7月27日に塩素系ガスの工場外への漏洩が発覚し、TDIのほかメガネレンズ材料設備の一部を停止していた。順次生産を再開する。
三井化学は配管にできたヒビや穴が原因でガス漏れが起きたと推定している。汚れによってヒビが生じ、ガスが流れる配管に工業用水が混入したことで塩酸が生成。それにより配管に穴が開き、塩化水素やホスゲンなどのガスが工場外部に漏れ出したとみられる。
8月末時点までに近隣住民などのべ234人が病院に受診した。同社は再発防止策として配管や水混入の検査を強化するほか、万が一漏洩した場合の拡散を防ぐために塩素系ガスがある設備には水カーテンを設置する。ガスが漏れた際の警報は常に自動で作動する仕組みにも変える。
三井化学は24年に大阪府高石市の基礎化学品エチレンの生産設備でも不具合が発生した。蒸気系のトラブルを原因に定期修理後の再開が2カ月遅れ、25年3月期には本業のもうけを示すコア営業利益で約100億円の損失が出ていた。
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