
東京電力の小早川智明社長は4日、柏崎刈羽原発が立地する新潟県柏崎市を訪れ、桜井雅浩市長と面会した。1~5号機の廃炉の判断時期について「6号機再稼働後2年を待たずに前倒しを図る」との方針を伝えた。桜井市長は「東電の確実な一部廃炉への意思表明」として評価した。
1~5号機の廃炉について、東電は2024年8月、桜井市長に「6、7号機再稼働後2年以内に廃炉を含む最適な電源構成の道筋を付ける」との文書を提出していた。東電が7号機ではなく6号機の再稼働を優先する方針に変更したのに伴い、桜井市長が東電に、1~5号機の廃炉の考えなどについて改めて示すよう求めていた。
小早川社長はこの日、市役所で桜井市長から求められていた確認事項への回答書を手渡し、説明した。
廃炉に関しては①6号機の再稼働が見通せる状況になる時期までに、廃炉を含めた検討状況を具体的に説明②6号機の再稼働後2年を待たずに廃炉検討の前倒しを図り、1~5号機の廃炉を含む最適な電源構成の道筋を確実に付ける――とした。計7基が集中して立地することに対し県内に懸念の声があることを「十分に意識して検討していく」とした。
桜井市長は小早川社長に対し、「2年を待たず」の意味について「6号機の安定的運転(13カ月)を行い、定期検査を経て、次期運転が始まったころ」と解釈していると述べた。
面会終了後、桜井市長は記者団に「『2年を待たず』の意味は私の解釈と東電の考え方と認識を一にしており、お互いにそれぞれの考え方を合わせた成果だ」と語った。その上で「市長として6号機の再稼働について理解する」と述べた。
一方、小早川社長は別途、記者団の取材に応じ、「一部廃炉を含む検討をしていくと回答したのであって、現時点で廃炉について何ら決定していないし、必ず廃炉を実現することを約束したものではない」と述べた。
また、「検討が多岐にわたるので、前倒し(の時期)のところを明確に約束することができなかった。しっかりと検討を加速していくと伝えた」と話した。【内藤陽】
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