飲酒を巡る運航トラブルについて謝罪するJALの中川由紀夫常務執行役員㊥(4日、東京都千代田区)

日本航空(JAL)は4日、国際線の機長が社内規定違反にあたる滞在先での飲酒をしていたと発表した。飲酒を巡る運航トラブルの多発でJALは2024年12月からパイロットに滞在先での飲酒を禁止している。問題の機長は禁止後も滞在先で10回程度飲酒を繰り返し、その事実を隠す目的でアルコール検査器の日時を変更していた。JALは解雇を含めて処分を検討する。

JALの安全面のトップである「安全統括管理者」を務める中川由起夫常務執行役員は4日、国土交通省で記者会見し「規律を徹底する意識が足りていなかった。現場に近づいてそこに起きている問題を把握することが組織的にもできなかった」と述べた。JALは24年末の飲酒問題を受けてパイロット管理の強化を柱とした再発防止策をまとめていたが機能しなかった形だ。

8月28日にハワイを出発して中部国際空港へ向かう便に乗務予定の機長が前日にホテル内でビール3本を飲んでいた。機長はホテルを出発する前のアルコール検査で体内にアルコールが残っていることが発覚した。

JALはこの機長を乗務させなかったが、代替の人員を見つける手間などが発生して結果的に計3便に最大18時間超の遅れが生じた。

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BUSINESS DAILY by NIKKEI

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