理化学研究所の量子コンピューター「黎明」=クオンティニュアム提供

三井物産は5日、量子コンピューターを手掛けるスタートアップの米クオンティニュアムに追加出資したと明らかにした。出資額は500万ドル(約7億円)。三井物産は2024年にクオンティニュアムに5000万ドルを出資し、アジア太平洋地域での販売代理店契約を結んでいる。追加出資で連携を深め、量子コンピューターや計算ソフトなどを拡販する。

クオンティニュアムは英ケンブリッジ大学発のスタートアップと米重工大手のハネウェルの事業を統合して21年に設立した。計算精度の高い「イオントラップ」と呼ばれる方式を開発している。理化学研究所が2月から運用を始めた量子コンピューター「黎明(れいめい)」にもクオンティニュアムの技術が使われている。同社の企業価値をハネウェルは約100億ドルとしている。

クオンティニュアムは三井物産と同時期に、米エヌビディアや米JPモルガン・チェースなどから総額で約6億ドルを新たに調達した。量子コンピューターの精度向上や量産体制の整備に調達資金を活用する。

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BUSINESS DAILY by NIKKEI

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