練馬区立美術館は建て替え工事を経て2029年度に再び開館する計画だった(イメージ)

東京都練馬区の前川燿男区長は5日、2026年度に予定していた区立美術館の建て替え工事の着工を見送ると表明した。建設費の高騰で当初76億円と見込んでいた整備費が4割増の109億円に膨らみ、区がコストが妥当かどうか検証を進めていた。建設費高騰による公共工事の中止や延期の動きが広がってきた。

5日、前川氏が区議会で「事業者確保の見通しが立たず、本体工事契約の不調リスクは極めて高い。26年度の着工は見送ることとした」と説明した。今後は「実現に向け、引き続き市場の動向を注視し、適切に判断する」と述べた。

練馬区立美術館は1985年に開館した。区は老朽化などから建て替えを検討し、2025年度中に既存施設の解体工事に入り、26年度に本体工事に着手、29年度に再オープンする計画だった。

都内では公共施設の建設見送りが相次ぐ。中野区では複合施設「中野サンプラザ」の建設費が上振れし、再開発計画の白紙が決まった。目黒区も区民センターなどの再整備をめぐり、事業費高騰により当初計画での事業実施を中止した。

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