永守賞の表彰式で挨拶するニデックの永守代表(7日、京都市)

ニデックの永守重信代表取締役グローバルグループ代表は7日、同社の不適切会計の疑いを巡り「隠すことなくすべての問題についてオープンにやっていく」と述べた。「我々は自主的に開示して、考えていることをきちんと伝えていきたい。すべて解決したら会社はもっと良くなる」と話した。

永守氏が理事長を務める公益財団法人の永守財団がモーター技術の研究者を表彰する「第11回永守賞」の授賞式を京都市内で開き、その後の記者会見で質問に答えた。

ニデックの岸田光哉社長も同会場で取材に応じ「第三者委員会でしっかり調査してもらう。問題点をなくして強い会社に転換していきたい」と話した。

ニデックは3日、不適切な会計処理の可能性のある事案が見つかったと発表した。中国子会社での不適切会計の疑いが発端となり、その後の調査で、ニデック本体およびそのグループ会社においても不適切な会計の疑いが浮上した。

経営陣が関与または認識した上で、資産性にリスクのある資産に関して評価減の時期を恣意的に検討していると解釈しうる資料が複数見つかったとしている。

表彰式後、永守賞についての記者会見に臨むニデックの永守代表(7日、京都市)

ニデックは外部の弁護士らからなる第三者委員会の設置を決めた。事実関係を詳しく調査する方針だ。問題を公表した翌4日、ニデックの株価は制限値幅の下限(ストップ安水準)まで下げた。ガバナンス(企業統治)の不備や業績影響への懸念が広がっている。

永守賞は2015年に始まり、モーター関連分野で優れた功績を挙げた中堅の研究者・技術者を奨励している。第11回となる今回の大賞に米ライス大学教授のマーシャ・オマリー氏を選んだ。脳卒中などの患者向けのリハビリ支援用ロボット装置の研究を評価した。

オマリー氏は受賞を受けて「神経を損傷した患者向けに筋肉の活性化などを目指す研究に取り組んでおり支援に感謝する」と述べた。今回は賞に73件の応募があった。永守氏は今後の賞について「世界に果敢に挑戦する人を育てたい」と話した。

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