
本田財団は9日、優れた功績を残した科学者を表彰する「本田賞」を東京科学大学栄誉教授の伊賀健一氏に授与すると発表した。面で光を放出できる半導体レーザー「面発光レーザー(VCSEL)」を開発した。携帯端末の顔認証などに応用されるなど光学分野に多大な貢献を果たした功績を評価した。
伊賀氏は1977年にVCSELのシステムを提唱し、88年に室温での連続動作に成功したことで、世界に広まった。開発したレーザーについて伊賀氏は「光のスペクトルがきれいで常に同じ波長が出る、さらに製造も難しくないという夢のレーザーだった」と表現する。
VCSELは高精細なレーザープリンターやスマートフォンの顔認証、自動運転の目となる高精度センサー「LiDAR(ライダー)」など、幅広い用途で使われている。
本田財団はホンダ創業者の本田宗一郎氏らによって設立された。国内外の科学者を幅広く表彰しており、今回が46回目となる。過去にはジェフリー・ヒントン氏や中村修二氏といった、後にノーベル賞を受賞する研究者も選ばれている。授賞式は11月17日に開かれる。
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