機長の飲酒問題を受け、記者会見を開いて謝罪するJALの鳥取三津子社長(右)=東京・霞が関で2025年9月10日午前11時5分、木村敦彦撮影

 日本航空(JAL)国際線の機長が8月、乗務前日に飲酒してハワイ発の3便が遅れた問題で、JALの鳥取三津子社長らは10日、記者会見を開いて謝罪した。鳥取氏は冒頭で「このような事態を招いたことを極めて重く受け止めている。ご関係の皆様に大変ご迷惑をおかけしたことを心より深くおわび申し上げる。誠に申し訳ございません」などと述べた。

 同社は飲酒の管理監督の仕組みを早急に見直すと表明。過去のアルコール検知歴などから飲酒リスクの高いパイロットについては、乗務させないことにする。

 国土交通省は同日、昨年から繰り返し飲酒事案が発生し、JALの管理監督が不十分だったとして厳重注意の行政指導とした。

機長の飲酒問題を受け、記者会見を開いて謝罪するJALの鳥取三津子社長=東京・霞が関で2025年9月10日午前11時22分、木村敦彦撮影

 JALによると、機長は現地時間8月28日のホノルル発中部空港行きに乗務する前日、ホテルでビールを3本飲んだ。当日はアルコールが検知されたため乗務できず、3便が最大18時間以上遅れた。

 JALではパイロットの飲酒による欠航や遅延が続発したことを受け、昨年12月、パイロットは滞在先で全面禁酒とする社内ルールを設定した。この機長に対しては、過去のアルコール検知歴などから「要注意者」リストに載せ指導していたが、今回の問題発覚後、禁酒ルールの設定以降も飲酒を繰り返していたことが判明した。【木村敦彦】

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