複数のセンサーを搭載した機器をやりに装着する

TDKは10日、やり投げ競技の動きをセンサーを活用して可視化する技術を開発したと発表した。角度や回転数などをセンサーで取得し、分析したうえで軌跡を3次元データとして示す。選手の技術力向上や観客の観戦体験の多様化につなげる。

複数のセンサーや電池をまとめた機器をやりに装着して、データを集める。センサーは角度や加速度、気圧などを測る。このうち位置や速度を検知する6軸センサーは長さ2.5ミリメートル×幅3ミリメートル×厚み0.81ミリメートルの超小型で、衝撃に強い高性能品を採用した。

試作品となる機器の重さは約21グラムと、小型・軽量化を進めた。取得したデータから、やりを投げた瞬間や飛行中に発生する動きの詳細を把握できる。解析をしたうえで、高度や速度、軌跡などを3次元データで分かりやすい形で表示する。

やり投げはこれまで目視や映像による指導が中心だったという。今後はデジタル技術を活用し、やりの内部にセンサーを内蔵する方式などを想定する。まずは選手の練習や指導での導入を目指し、競技で観客に表示する形での活用も視野に入れる。

TDKは1983年から世界陸連のオフィシャルパートナーを務めており、今回の開発は連携の一環だ。13日に開幕する陸上の世界選手権東京大会でやり投げデータの可視化技術を展示する。

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