
福島市は、納豆への2024年の1世帯当たりの年間支出額が2年ぶりに全国トップとなったのを受け、製菓大手カルビー(東京都)と納豆を使った新商品を開発するプロジェクトを始めた。福島と納豆を愛する学生をメンバーに募集し、市内で納豆料理を提供する飲食店とカルビー社員がワークショップでアイデアを練り、来夏の発売を目指す。
福島市は、水戸市のように大豆や納豆の生産が盛んではないにもかかわらず消費量が多い。その理由は「冬の山間部で貴重なたんぱく源とされていた」「朝食でお米を食べる人が多い」など諸説あり定かではない。市はそんな納豆人気に着目し「納豆のまち福島」のブランド化を図っている。

カルビーは2016年、旧飯野町(現福島市)出身の伊藤秀二社長(当時、現シニアアドバイザー)のアイデアからポテトチップスいかにんじん味を発売したところ大ヒット。翌17年からの47都道府県ご当地ポテトチップスの商品開発につながった。19年には円盤ギョーザ味も発売し、市は同社の商品力と地域活性化のノウハウを再び借りたい考えだ。
市は、若者にボランティア活動を仲介して街づくりへの参画を促す「こくりナビ」を通じて学生10人程度を18日まで募集している。「なぜ福島市民は納豆が好きなのか」を探究しながら、フレーバーやパッケージデザイン、PR方法を検討。26年夏に東北限定での発売を予定する。
木幡浩市長は「学生にとって、自分たちが関わった商品が店頭に並んでみんなに食べてもらえるのは貴重な経験」と参加を呼び掛ける。【錦織祐一】
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