シャープの空気清浄機が、エジプト・ギザにあるクフ王のピラミッドの一番奥にある「玄室」に置かれている。提携先である同国の家電最大手「エルアラビ」を通じてシャープが政府に働きかけ、今年6月にすべて同社製のものに置き換えてもらった。アフリカでの知名度アップにつなげる狙いがあるという。

 同社によると、玄室は暑さと湿気で不快指数がかなり高い場所。元々はシャープを含めた複数社製の空気清浄機が置いてあったが、ピラミッドを管理する観光・考古省への働きかけが奏功し、現在9台を設置している。シャープがアピールするプラズマクラスターのカビ抑制効果も現地のニーズにマッチしたという。

 今後はギザの3大ピラミッドのうち、残る二つにも置けないかも探っていく考え。白物家電事業の担当本部長、永峯英行氏は「世界的に有名な建造物で使われているというのはブランドになる」と話し、現地での家電販売の拡大につなげたい狙いだ。

 同社は中東・アフリカを東南アジア、米国に並ぶ海外の重点地域と位置づける。2024年にエルアラビと提携し、来年春には合弁会社が冷蔵庫の新工場を現地で稼働させる予定になっている。

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