関西空港に駐機された米ユナイテッド航空機(13日午前)=共同

貨物室で出火したとの警告が表示され関西空港に12日夜、緊急着陸した米ユナイテッド航空機について、管轄する泉州南広域消防本部(大阪府)は13日、調査の結果、機内で火災は起きていなかったと明らかにした。運輸安全委員会の航空事故調査官は13日午後に関空入りし、出火を知らせる機器が誤作動した可能性も視野に調査を本格化させる。

乗客乗員142人が脱出用シューターを使って全員避難し、5人が軽傷。国土交通省は事故につながりかねない重大インシデントと認定した。ユナイテッド航空は共同通信の取材に、調査の初期段階では火災の痕跡が見られないと明らかにし「日本の航空当局と協力して調査を進める」とした。

国交省や、運航中の航空機の状況を表示するウェブサイト「フライトレーダー24」によると、成田発フィリピン・セブ行きユナイテッド航空32便ボーイング737は12日午後5時40分ごろ離陸。午後6時半ごろ、出火したとの警告が表示され緊急事態を宣言し、針路を北西に変えた。午後7時10分ごろ、2本ある関空の滑走路のうちA滑走路に着陸した。

脱出後も誘導路に止まったが13日未明に駐機場へ移動。滑走路は午前2時半ごろ全面再開した。

関西エアポートによると、滑走路閉鎖で12日の出発2便が欠航、到着4便が目的地を変更し、1便が成田に引き返した。

脱出した乗客は一夜明けた13日午前、ユナイテッドの代替機で当初の目的地のセブへ向かった。〔共同〕

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