ユビーが提供を始めた新サービスのイメージ

医療関連スタートアップのUbie(ユビー、東京・中央)は16日、人工知能(AI)を使って医療情報を提供する新サービスを始めた。利用者が自身の症状などを入力すると、医療分野に特化したAIが受診すべき診療科や医師に伝えるべきポイントなどをチャット形式で出力する。利用者における適切な行動を支援し、病気の早期発見・治療などにつなげる。

スマートフォン用のアプリケーションとして無料で提供する。AIはユビーが信頼できると判断したサイトのみを参照して回答を出力する。会見した阿部吉倫共同代表取締役は「利用者との過去の対話を記憶したり、マイナンバーポータルをはじめとする医療記録と連携したりして、パーソナライズした情報提供ができる」と話した。

記者会見したユビーの阿部吉倫共同代表取締役(16日、東京都中央区)

症状の見落としや医療に関する偽情報・誤情報などにより、どうしたらいいのか分からなくなる「医療迷子」を減らす。利用者の病を早くみつけ適切な治療につなげる。医療費の無駄使いを減らす効果も期待できる。

ユビーはこれまで、利用者が抱える症状から関連する病名や医療機関を検索するサービスを提供してきた。利用者がどのような使い方をしているか調べた結果、1回のサービス利用で終わらず、継続した情報提供を求める声があることが分かったという。今回、対話を通じて利用者の状況をAIが記憶し、医療の段階に応じた情報を出力するサービスを開発した。

新サービスは、製薬企業の広告を表示して収益化する。具体的には利用者の入力を踏まえAIが該当する可能性がある病名を提示する際に、製薬企業が手がける動画コンテンツなどを合わせて表示する。売り上げ目標や提携する製薬企業の数などは明らかにしていない。

これまで提供してきた症状検索サービスなど一般利用者向けサービスは、現状で月間1300万人が利用する。新サービスと合わせて、2030年までに月間利用者数を3000万人に増やす。

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