提出された制作物に対し、AIがガイドライン違反や修正案を提示する

NTTドコモは16日、アニメや映画、キャラクターといった知的財産(IP)を扱う監修業務を人工知能(AI)で効率化する事業を独立会社にしたと発表した。制作物にガイドライン違反がないかなど、IPの利用に不可欠な監修作業をAIで自動化する。監修依頼から承認までの作業負担を軽減したい出版社やゲーム会社などの需要を開拓する。

新会社AIPEX(アイペックス、東京・港)は同日から事業を始めた。プラットフォーム上で監修依頼を一元管理するほか、生成AIや画像解析技術を活用し、キャラクターのポーズや色使い、世界観との整合性などを自動で照合し修正点を指摘する。担当者は最終判断をするだけで済むため、監修作業は数分で完了する。

アニメやゲームに登場するキャラクターがグッズや広告に利用される際、版権元が原作のイメージを損なわないよう細部まで確認する監修作業が必須とされる。従来はメールでのやり取りやエクセルなどでの手作業による管理で、監修に多くの時間を要することが課題となっていた。

実証実験においては、監修にかかる作業時間を平均6割削減できたという。AIの活用に伴うタスクの抜け漏れもなかった。企業は制作過程での修正の手戻りを抑えられ、商品化や広告展開を加速できる。2025年度中の本格的なサービス提供を目指しており、料金は顧客企業との交渉で決めるとしている。

アイペックスはドコモグループの新規事業創出プログラムからスピンアウトした。8月に事業を始めた、AIでアニメーション制作を効率化する事業を手がけるCrestLab(クレストラボ、東京・千代田)に続き、9例目となる。

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