共同操業するチリのロスブロンセス鉱山(左)とアンディナ鉱山

三菱商事と三井物産は17日、チリでそれぞれ出資する銅事業において2030年以降、隣接する銅鉱山と共同操業することで最終合意したと発表した。両鉱山で生産面での連携や既存設備を融通し合うことで生産を効率化し、年間生産量を増やす。中長期的に需給逼迫が予想される銅の安定供給につなげる。

三菱商事が20.4%、三井物産が間接的に9.5%出資するチリの銅事業会社アングロ・アメリカン・スール(AAS)のロスブロンセス鉱山と、チリ国営大手コデルコが持つアンディナ鉱山で共同操業に切り替える。30年から21年間にわたって共同操業する。生産の効率化で、大規模な投資をせずに年間生産量を増やすことができる。

単独で操業する場合に比べて、両鉱山の年間生産量は12万トン増え、1トンあたりの生産コストは15%削減できる見通し。共同操業開始後の両鉱山の銅生産量や収益はAASとコデルコで均等に配分する。出資比率に応じた持ち分生産量は三菱商事が年1.2万トン、三井物産は年0.6万トン増える。

銅は電気自動車(EV)やデータセンター向けに今後需要拡大が見込まれる一方、発見される資源量の減少などで将来的に供給が不足する見通しだ。

三菱商事は稼働中の銅鉱山でペルー2件、チリで3件の権益を持つ。米国やチリで新規出資する銅鉱山でも29〜30年ごろにかけて生産開始を見込むほか、追加の権益獲得なども含めて銅の生産量を30年度以降に24年度比で2割増やす計画だ。

BUSINESS DAILY by NIKKEI

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