パレスチナのガザ地区について、国連は、8月最大都市のガザ市などで「飢きん」が発生していると発表しましたが、イスラエル軍はその後、ガザ市の制圧に向けた地上作戦を始め、人道危機が深まっています。

国連の安全保障理事会では、18日、緊急会合が開かれ、非常任理事国の10か国は、ガザ地区での即時停戦や人質の解放に加え、イスラエルに対して、支援物資の搬入を制限なく認めるよう求める決議案を提出しました。

これについて、アメリカの代表は「決議案はイスラム組織ハマスを非難せずイスラエルの自衛権を認めていない」と、反対を表明しました。

採決では、15の理事国のうち、14か国が賛成しましたが、アメリカは拒否権を行使し、決議案は否決されました。

各国からは、遺憾の意を示す発言が相次ぎ、アルジェリアの国連大使はガザ地区の住民に向けて「許してください」と繰り返しました。

安保理は、この日が1万回目の節目の会合でしたが、常任理事国の拒否権で人道危機を止められない機能不全と、同盟国のイスラエルを擁護するアメリカの姿勢が改めて浮き彫りになりました。

イスラエル国連大使「アメリカ否権行使にお礼」

イスラエルのダノン国連大使は18日、拒否権を行使したアメリカの代表と握手を交わしている動画をSNSに投稿しました。

ダノン大使は「決議案に反対し、拒否権を行使したことにお礼を言いたい」と書き込み、両国の国旗の絵文字を並べています。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。