ロシアのプーチン大統領は22日、米ロ間に残る唯一の核軍縮条約である新戦略兵器削減条約(新START)について、来年2月の期限後も「ロシアは1年間、条約の定める制限を維持する用意がある」と述べた。「この措置が成立するのは、米国が同じような行動を取るときだけ」とも発言。核軍縮に関して、新たな交渉を米トランプ政権に促す狙いとみられる。
同日招集した臨時の国家安全保障会議で語った。新STARTは、米ロが配備する戦略核弾頭の上限を1550発と定めている。2011年に発効したが、21年の前回期限前には1期目だったトランプ政権が延長に向けた態度を明確にせず、期限直前に就任したバイデン前大統領との間で5年の延長が決まった。
プーチン氏は23年2月、ウクライナへの侵攻をめぐって米国との関係が悪化する中、「安全の確保」を理由に一方的に新STARTの「履行停止」を宣言した。しかし、期限後の条約の枠組みについては交渉を望む姿勢を示唆してきた。米国が一方的に核軍拡を進める事態を避けたい意図があるとみられる。
プーチン氏は22日の会議で期限後、「1年間の制限維持」に向けて、今後の米国の行動を監視する必要があるともし、ロシアが反対する米国のミサイル防衛システム、特に宇宙空間への配備に向けての動きを注視すると述べた。
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