関税によるコストが上昇するが、販売価格への転嫁が難しくなっている(ウィスコンシン州の農機製造工場)=ロイター

【ニューヨーク=竹内弘文】米S&Pグローバルが23日発表した9月の米国購買担当者景気指数(PMI、速報値)は総合が53.6と前月比1.0ポイント低下し、3カ月ぶりの低水準となった。製造業もサービス業も好不況の節目となる50は上回っているものの、需要の陰りが指数の重荷となった。製造業の販売価格指数には低下傾向がみられた。

サービス業指数は前月比0.6ポイント低下し53.9で3カ月ぶり低水準となり、ファクトセット集計の市場予想(54.0)をやや下回った。製造業指数は1.0ポイント低い52.0で、2カ月ぶり低水準。市場予想(52.2)を下回った。調査期間は11〜22日。

S&Pグローバルのチーフ・ビジネス・エコノミスト、クリス・ウィリアム氏は「企業からの回答では需要の弱まりを指摘する声が多い。関税影響で投入コスト上昇しているが、販売価格への転嫁は進んでいない」と説明した。

パンテオン・マクロエコノミクスのチーフ米国エコノミスト、サミュエル・トゥームズ氏によると、製造業の販売価格指数と投入コスト指数の差は2022年7月以来の大きさになっているという。

同氏は「生産者が関税負担の大部分を吸収していることを示唆している」と分析しており、米連邦準備理事会(FRB)の「インフレ見通しに対する懸念を和らげるだろう」と指摘した。

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