ニューヨークのウォール街(6日)=遠藤啓生撮影

【NQNニューヨーク=横内理恵】23日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5日続伸して始まった。午前9時35分現在は前日比154ドル85セント高の4万6536ドル39セントで推移し、前日に付けた最高値を上回っている。米連邦準備理事会(FRB)が利下げを続け、米経済を支えるとの期待が景気敏感株などへの買いを誘っている。ダウ平均は300ドル超上げる場面がある。

23日朝に講演したボウマンFRB副議長は労働市場が活力を失っている可能性を指摘し、「決断力を持ち、先を見越して行動する時だ」と追加利下げへの支持を示した。22日にはミランFRB理事が金融政策が引き締め過ぎだとして大幅利下げの必要性を主張した。

利下げ期待が米株高を後押ししてきたため、FRB高官発言への関心が高い。ボウマン氏の発言を受け、次回10月28〜29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ観測が強まる可能性が意識された。高値警戒感がある主力ハイテク株から相対的に割安感のある景気敏感株などに資金を移す動きが出ている。

金融政策を巡ってはFRB内でも意見が分かれている。22日にはセントルイス連銀のムサレム総裁などは追加利下げに慎重な姿勢を示していた。23日昼にはパウエル議長が講演する。市場には内容を見極めたいという雰囲気もある。

ダウ平均ではスリーエム(3M)やキャタピラー、アメリカン・エキスプレス(アメックス)などへの買いが目立つ。ゴールドマン・サックスやボーイングも高い。一方、前日に上昇が目立ったエヌビディアが安い。アマゾン・ドット・コムやウォルマートも売られている。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反落して始まった。

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