国連の安全保障理事会は23日、ガザ情勢についての閣僚級の会合を開いた=国連提供

【ニューヨーク=吉田圭織】国連の安全保障理事会は23日、パレスチナ自治区のガザ情勢について閣僚級の会合を開いた。国連で前日に開かれたパレスチナ和平会議でパレスチナの国家承認をめぐる発表が相次いだことを歓迎する声が目立った。一方、米国は「平和達成の努力を妨害する」として反発した。

パレスチナの国家承認について、国連のグテレス事務総長は「安保理常任理事国であるフランスや英国を含む多くの国々が承認したことを歓迎する。これが(イスラエルとパレスチナが共存する)2国家解決への最も明確な道だ」と強調した。

アルジェリアやパキスタン、スロベニアなどパレスチナの国家を承認済みの理事国からも歓迎の声が相次いだ。

9月の議長国を務める韓国の趙顕(チョ・ヒョン)外相も今後時期を見て承認すると表明した。未承認の安保理理事国のデンマークやギリシャは時期は明確にしなかったものの、承認に前向きな姿勢を示した。

パレスチナのマンスール国連大使は「パレスチナの国家承認は、この恐ろしい戦争を終結させ、平和を達成させるための国際的な動きに不可欠であるものだ」と強調した。「世界がパレスチナの破壊を拒絶し、我々の存在権や自己決定権を支持していることも確認できた」と述べた。

一方、米国のウォルツ国連大使は「一方的に(パレスチナの国家)承認をしても現場の状況は変わらない。承認できる国家は存在しない。むしろ平和達成の努力を妨害する結果となる」と反発した。

また「安保理は平和推進に向けた真剣な努力よりも、見せかけの成果を優先してきた」として会合の開催そのものを批判した。

会合の開催はアルジェリアやガイアナ、パキスタン、シエラレオネ、ソマリアが要請した。

イスラエルの代表はユダヤ教の新年(ローシュ・ハッシャーナー)であったため会合に出席しなかった。イスラエルの国連大使は22日、「我々は国連総会の会議場に入らず、この茶番に参加しない」と訴え、パレスチナ和平会議にも出席しなかった。

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