
【ヒューストン=赤木俊介】米グーグルは18日、米南部テネシー州に新設される小型原子炉からデータセンター向けに電力を調達すると発表した。原子力発電所は2030年からの稼働を予定しており、5万キロワット分の電力を供給する。
政府系電力大手のテネシー川流域開発公社(TVA)が米新興カイロス・パワーの原発から電力を購入し、同州や南部アラバマ州にあるグーグルのデータセンターへ電力を供給する。TVAのダン・モル最高経営責任者(CEO)は声明で「グーグルだけでなく、TVAの顧客、そして米国にとって良いことだ」と説明した。
グーグルは24年10月にカイロス・パワーが開発する小型モジュール炉(SMR)から電力を調達すると発表している。カイロス・パワーとグーグルと共同で35年までに全米で複数のSMRを稼働し、計50万キロワット分の電力供給を目指す。テネシー州でのSMRの建設は米原子力規制委員会(NRC)が24年11月に認可した。
SMRの出力は30万キロワット以下とされており、100万キロワット程度の出力がある従来の原子炉に比べて出力が小さい。格納容器などの部品を工場で量産できるのが特徴で、安全性やコスト面の観点から注目されている。
米国ではデータセンターの建設が急速に進んでおり、電力需要の大幅な増加が見込まれている。米エネルギー省によると、データセンターの電力消費は23年、米全体の消費量の4.4%を占めた。28年には最大12%まで拡大すると試算する。
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