2007年のフランス大統領選に向け、リビアの独裁者だった故カダフィ大佐側に選挙資金を提供するよう働きかけたとして、汚職などの罪に問われたフランスのサルコジ元大統領(70)に対し、パリの裁判所は25日、一部の罪を認め、禁錮5年の有罪判決(求刑禁錮7年と罰金30万ユーロ)を言い渡した。控訴の有無にかかわらず、近く刑務所に収監されるという。

 判決によると、サルコジ氏は05~07年、カダフィ氏側を支援する見返りに、側近と共謀してリビア側に選挙資金の提供を働きかけた。不正に選挙資金を受け取ったとされる汚職の罪は無罪となった。カダフィ氏は07年12月、大統領に就任したサルコジ氏の招待で、34年ぶりにフランスを訪問していた。

 3時間半に及んだこの日の公判で、サルコジ氏は傍聴席で落ち着いた様子で判決を聞いていた。公判後、報道陣に対して「私は自分がやっていないことについて謝罪しない。完全な無罪を証明するために闘い続ける」と述べ、控訴する方針を示した。

 事件をめぐってはフランスの調査報道機関が12年、サルコジ氏がカダフィ氏側から選挙資金として5千万ユーロ(約87億円)受け取ることに合意していたと報道。仏司法当局は13年に本格捜査に乗り出し、今年1月にようやく公判が始まった。

 サルコジ氏は23年5月にも別の汚職事件で禁錮3年(うち2年は執行猶予)の有罪判決を受け、収監の代わりに監視のための電子ブレスレットを3カ月装着していた。政界の第一線から退いているものの、マクロン大統領と近い関係にあり、一定の影響力を保っている。

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