【NQNニューヨーク=矢内純一】25日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落して始まり、午前9時35分現在は前日比123ドル84セント安の4万5997ドル44セントで推移している。朝発表の米経済指標が景気の底堅さを示した。米連邦準備理事会(FRB)が利下げを急ぐ必要はないとの受け止めから、株式に売りが出ている。ダウ平均の下げ幅は200ドルを超える場面があった。

朝発表の週間の米新規失業保険申請件数は21万8000件と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(23万5000件)を下回り、7月以来の低水準となった。4〜6月期の米実質国内総生産(GDP)確定値は前期比年率3.8%増と、改定値(3.3%増)から上方修正された。8月の米耐久財受注額も市場予想を上回った。

米経済指標が「(FRBが)急いで利下げをする必要がないことを示した」(CIBCキャピタル・マーケッツのアリ・ジャフェリー氏)との指摘があった。

本来、良好な経済指標は株高の原因になる。ただ、FRBの利下げ継続を見込んで株高が進んでいたため、利下げ期待の後退を理由にハイテク株を中心に売りが出ている。

25日朝の米債券市場では長期金利が一時、前日に比べ0.05%高い(債券価格は安い)4.19%を付けた。金利の上昇で株式の相対的な割高感が強まるとの見方が相場の重荷となっている。25日には複数のFRB高官の発言機会がある。米経済や金融政策に対する見解を見極めたいという雰囲気もある。

ダウ平均の構成銘柄ではエヌビディアやユナイテッドヘルス・グループ、アメリカン・エキスプレスが下落している。キャタピラーやセールスフォースも安い。半面、IBMやジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が上昇している。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は3日続落して始まった。テスラやアルファベットが下落している。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。