
【NQNニューヨーク=矢内純一】18日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に反落し、前週末比34ドル30セント安の4万4911ドル82セント(速報値)で終えた。昨年12月に付けた最高値(4万5014ドル)に迫っており、持ち高調整や利益確定目的の売りが出た。半面、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測が引き続き相場を支えた。
ダウ平均は前週に770ドル高となり、2週連続で上昇していた。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数とハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も最高値圏にある。高値警戒感が意識されやすく、18日は主力株の一角に持ち高を減らす動きが出た。
トランプ米大統領は18日、ウクライナのゼレンスキー大統領と会談した。ウクライナの長期的な「安全の保証」のため米国として支援すると伝えたものの、市場では、「相場を動かす材料にはならなかった」(シーミス・トレーディングのジョセフ・サルッジ氏)との受け止めがあった。ロシアとウクライナの停戦協議には時間がかかる可能性が高く、様子見の雰囲気が強かった。
一方、FRBが9月に利下げを再開するとの期待は根強く、ダウ平均は上昇する場面があった。22日にはカンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)でパウエルFRB議長が講演する。市場では金融政策の先行きに対する見解に注目が集まっている。
ダウ平均の構成銘柄ではボーイングやシャーウィン・ウィリアムズ、コカ・コーラが下落した。ホーム・デポとアムジェンも安かった。半面、前週に著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハザウェイの株取得が明らかになったユナイテッドヘルス・グループに買いが続いた。ウォルト・ディズニーとキャタピラーも上昇した。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに小反発し、前週末比6.797ポイント高の2万1629.774(速報値)で終えた。
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