【NQNニューヨーク=戸部実華】25日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比173ドル96セント安の4万5947ドル32セント(速報値)で取引を終えた。25日発表の米経済指標は景気の底堅さを示した。米連邦準備理事会(FRB)が利下げを急ぐ必要が薄れたとの観測から、売りが優勢となった。

朝発表の週間の米新規失業保険申請件数は21万8000件と、7月以来の低水準となった。ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(23万5000件)も下回った。4〜6月期の米実質国内総生産(GDP)確定値は前期比年率3.8%増と、改定値(3.3%増)から上方修正された。8月の米耐久財受注額は前月比で市場予想に反して増えた。

市場では「予想よりも良好な経済データは歓迎されるものだが、主要株価指数が最高値圏で推移するなか、FRBによる利下げ期待が高かっただけに利益確定売りが出やすかった」(Bライリーのアート・ホーガン氏)との声があった。FRBが積極的に利下げするとの観測が後退し、米債券市場では長期金利が上昇。株式の相対的な割高感が意識されたことも、株売りにつながった。

ここ数日間、人工知能(AI)関連銘柄に売りが目立つことも投資家心理の重荷になった。ダウ平均の構成銘柄ではないが、オラクルが売られた。アナリストが投資判断を「売り」で調査を開始し、嫌気した売りが出た。AI関連銘柄に買いが集中していたなか、切り上がった期待ほどは収益が拡大しない可能性や相場の過熱感などが意識され、利益確定売りが出やすかった。

ダウ平均の構成銘柄ではアマゾン・ドット・コムやマイクロソフト、セールスフォースといったハイテク株が売られた。アムジェンやナイキ、ユナイテッドヘルス・グループ、キャタピラーも安い。半面、IBMやアップル、シェブロンは上昇した。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日続落し、前日比113.157ポイント安の2万2384.698(速報値)で終えた。

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