ロシア ウクライナに軍事侵攻(9月25日の動き)

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ゼレンスキー大統領 “トランプ大統領は反撃を支持している”

アメリカのニュースサイト「アクシオス」は25日、ウクライナのゼレンスキー大統領のインタビューを報じました。

この中で、ゼレンスキー大統領は「ロシアがエネルギー施設を攻撃した場合には、トランプ大統領は、われわれが反撃することを支持している」と述べ、ロシア国内のエネルギー施設などへの攻撃はアメリカのトランプ大統領の支持を得ていると明らかにしました。

その上で、アメリカから追加で長距離兵器が供与されれば、ロシアへの攻撃に使用する可能性があると強調しました。

ゼレンスキー大統領としては、当初、射程の長い兵器でのロシアへの攻撃に批判的だったトランプ大統領が、ウクライナの立場に理解を示しつつあると示唆することで、アメリカとの連携をアピールしたい思惑があるとみられます。

また「私の目標は戦争を終結させることだ」と述べ、ロシアによる軍事侵攻が終われば、大統領を辞任する用意があるとの考えを示したということです。

一方、ロシア国防省は25日、2025年1月以降、侵攻を続けるウクライナ東部を中心に、あわせて205の集落、面積にして和歌山県とほぼ同じ4714平方キロメートルを掌握したと発表しました。

ベラルーシ大統領 ロシア開発の中距離弾道ミサイル“輸送中”

ロシアの同盟国ベラルーシのルカシェンコ大統領は、ロシアが開発した中距離弾道ミサイル「オレシュニク」の自国への配備に関連し、「いま運ばれているところだ」と述べ、配備に向けた輸送が始まっていると明らかにしました。

「オレシュニク」は、ロシアが開発した極超音速の中距離弾道ミサイルで、プーチン大統領は、8月、大量生産が始まり軍に配備されたとしたうえで、年末までに同盟国のベラルーシにも配備する方針を示しました。

これに関連し、ベラルーシのルカシェンコ大統領は25日、訪問先のロシアの首都モスクワで記者団から「オレシュニク」の配備の状況について質問されたのに対し、「いま運ばれているところだ」と述べ、現時点でベラルーシへの輸送が始まっていると明らかにしました。

ルカシェンコ大統領としては、配備計画が予定どおり進んでいると示唆することで、ウクライナ情勢をめぐって対立が深まるヨーロッパ各国をけん制する思惑があるとみられます。

「オレシュニク」は、2024年11月に、ウクライナ東部の都市ドニプロへの攻撃でロシアが初めて実戦で使用したほか、ベラルーシ国防省は、9月に行われたロシアとの合同軍事演習でその使用計画を確認したとしています。

ロシア 一部地域でガソリン不足 影響広がる

ロシアのガソリン不足は8月から極東など一部の地域で表面化し、西部のベルゴロド州やニジニ・ノブゴロド州などに影響が広がっています。

ベルゴロド州の知事は24日、SNSで「燃料供給について多くの問い合わせがきている。われわれは状況を制御しようとしているが、問題はある」と述べました。

モスクワ郊外でもガソリン不足 輸出禁止を年末まで延長へ

首都モスクワの郊外でも、在庫がなくなり、一部のガソリンが販売できなくなるスタンドも出始めています。

また、ガソリン不足に伴い、値上がりも続いていて、連邦統計局によりますと、一般的なガソリンの平均の小売価格は、8月までの1年間に10%上昇しています。

モスクワでは不満の声が相次いで聞かれ、市民の1人は「ガソリン価格は毎日上がっています」などと話していました。

ガソリン不足の背景の1つには、ウクライナ軍が無人機を使ってロシア国内にある製油所への攻撃を続けていることがあるとみられていて、ロイター通信は8月のウクライナ軍による攻撃で、ロシアの製油能力のおよそ17%が失われたと伝えています。

ロシア政府は対応を迫られていて、エネルギー政策を担当するノバク副首相は、25日、地元メディアに対し、ガソリンの輸出禁止を2025年末まで延長する方針を明らかにしました。

トランプ大統領 トルコにロシアからの原油の購入停止を求める

アメリカのトランプ大統領は、トルコのエルドアン大統領と首脳会談を行い、ロシアからの原油の購入を停止するよう求めました。

ウクライナとロシアの双方と緊密な関係を続けるトルコの協力を得て、事態の打開を図るねらいがあるとみられます。

トランプ大統領は25日、ホワイトハウスでエルドアン大統領と首脳会談を行い、冒頭、「われわれは、戦争に関しても、貿易に関してもすばらしい関係を築いてきた」と述べました。

そのうえで「ロシアがウクライナへの暴挙を続けるかぎり、エルドアン大統領にはロシアから原油を買うのをやめてほしい」と求めました。

トランプ大統領は23日に国連総会で行った演説で、中国とインドがロシア産原油の購入を続け戦争を支援していると非難するとともに、NATO=北大西洋条約機構の加盟国もロシア産エネルギーの輸入を減らしていないとして対応を求めています。

また、トランプ大統領は「ロシアのプーチン大統領もウクライナのゼレンスキー大統領も、エルドアン大統領を本当に尊敬している。彼が望むなら大きな影響力を行使できるだろう」と述べ、仲介役としてのトルコに期待を示しました。

トルコはNATOの加盟国である一方、地理的な近さもあり、ウクライナとロシアの双方と緊密な関係を続けていて、トランプ大統領としては、トルコの協力も得て事態の打開を図るねらいがあるとみられます。

東京で会合 ウクライナの復興などに向け日本からの投資呼びかけ

ウクライナの復興などに向けて、日本からの投資を呼び込むための会合が25日、東京都内で開かれ、ウクライナの政府関係者たちが防衛産業などさまざまな分野での協力を呼びかけました。

この会合は
▽ウクライナと日本の企業が参加する「在日ウクライナ商工会議所」や
▽EU=ヨーロッパ連合の関係機関が25日都内で開き、オンラインを含め企業の関係者など、およそ120人が参加しました。

会合では、ウクライナの政府系投資機関が法人税などの優遇措置を説明したほか、北東部のスムイ州の関係者からは、戦闘が終結したあとに経済を活性化させるためにはさまざまな分野での投資が必要だと訴えました。

また、防衛産業を育成する政府機関の幹部は、無人機やAI=人工知能など、戦時下で発達した技術が日常生活でも今後活用できるという見方を示し、協力を呼びかけました。

ロシアによる軍事侵攻が続く中、ウクライナの復興にかかる費用は今後10年間で5240億ドル、日本円で77兆円あまりと見込まれています。

参加した日本の商社の社員は、「会社として復興に携わりたいと思い、参加しました。現地に行くことが難しい現実もありますが、何かチャンスを考えたい」と話していました。

物流会社の社員は、「言語や風習の違いがあり、わからないことが多いが、EUからのサポートがあればかなりメリットがあると思いました」と話していました。

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