タイ軍とカンボジア軍は27日、両国の国境付近でそれぞれ相手側から「攻撃を受けた」と発表した。両国は、国境線や土地の帰属を巡って軍同士が衝突。7月29日に停戦が発効したが、再び緊張が高まっている。
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両軍が「攻撃があった」と主張しているのは、タイ東北部ウボンラチャタニ県と、カンボジア北部プレアビヒア州が接する国境地帯。タイ軍は、カンボジア軍が27日正午ごろ、銃や手投げ弾でタイ側を攻撃したとし、「標準的な手順に従い、対応したことを確認した」と発表した。これまでに死傷者の報告はないとしている。
一方、カンボジア国防省は、27日午前11時50分過ぎにタイ軍がカンボジア側を銃撃したものの、自軍は応戦していないと発表した。双方の主張は食い違いを見せているが、タイの現地メディアは、カンボジアの攻撃にタイ側も反撃し、両軍の銃撃戦が約30分間続いたと報じている。
両国の国境地帯では7月に砲撃や空爆を伴う戦闘があり、双方で民間人を含む30人以上が死亡。避難者数は一時約10万人にのぼった。
停戦は、トランプ米大統領や、東南アジア諸国連合(ASEAN)で今年の議長国を務めるマレーシアのアンワル首相らが仲介した。両国は停戦発効後、緊張緩和に向けて対話を続けてきたが、その後も国境係争地付近で「停戦合意違反があった」と互いに主張し合うなど、不安定な状態が続いていた。
今月17日には、タイ東部とカンボジア北西部の国境付近にある集落で、カンボジア側の群衆とタイ治安当局の間で小競り合いが発生。タイ側はゴム弾や催涙ガスなどを使って鎮圧していた。
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