【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(9月28日の動き)
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米 バンス副大統領 “ウクライナにトマホーク供与検討”

アメリカのバンス副大統領は28日、FOXニュースのインタビューで、ウクライナに対してロシア領内への長距離攻撃が可能な巡航ミサイル「トマホーク」を供与するかについて「検討中だ。ヨーロッパ側からの複数の要請も確かに検討している」と述べ、ヨーロッパ諸国を通しての供与を検討していることを明らかにしました。
そのうえで「大統領の最終決定は、アメリカの国益にかなうかどうかに基づく。今もまさに協議が行われていることを承知している」と説明しました。
これまで、アメリカは射程が300キロほどのミサイルATACMSについてはロシア領内への攻撃のために使用を許可しているとされてきましたが、トマホークの射程は1600キロとロシアの首都モスクワを収めることになります。
和平や停戦の協議に応じないロシアへの圧力を高めるねらいもあるとみられますが、アメリカが供与を行えば欧米とロシアとの間で緊張が高まることも予想され、トランプ大統領の判断が注目されています。
ウクライナへの大規模攻撃 欧州各国が相次いでロシア非難

ウクライナ空軍によりますと、27日から28日にかけて、ロシア軍は48発のミサイルとおよそ600機の無人機でウクライナに大規模な攻撃を行い、首都キーウではこれまでに4人が死亡しました。
また、ポーランドのメディアは外務省の報道官の話として、この攻撃でキーウにあるポーランド大使館の領事部の屋根が被害を受けたと伝えています。
攻撃について、フィンランドのストゥブ大統領はSNSで「ロシアは侵略者という真の姿を再び世界に示した。今こそEU=ヨーロッパ連合の制裁を承認し、ロシアに圧力をかけ続ける時だ」と訴えました。
また、エストニアのツァフクナ外相もSNSで「もう迷う必要はない。制裁を強化し、関税を課し、あらゆる関係を断つべきだ」と述べ、ロシアへの圧力を強化する必要性を訴えました。
EUでは、ロシア産のLNG=液化天然ガスの輸入を来年末までに禁止するなどとするロシアに対する追加の制裁を科すことについて、今後、加盟国による採決が行われます。
旧ソビエト モルドバ議会選挙 隣国ウクライナの支援に影響も

旧ソビエトのモルドバでは28日、101の議席をめぐって議会選挙の投票が行われました。
モルドバの選挙管理委員会が発表した暫定的な結果によりますと、開票率98%の時点で、EUへの加盟を推進するサンドゥ大統領の与党が49%、ロシアとの関係も重視する野党連合が24%などとなっています。
与党は大きくリードしているものの、過半数の議席を維持するかどうかはまだ不透明な情勢です。
与党が単独過半数の議席を維持できなければ、一部の野党が連立政権に加わるなどして隣国ウクライナへの支援や地域情勢にも影響が及ぶ可能性があることから、開票の行方が注目されます。
野党連合のリーダーの1人、ドドン前大統領は、28日夜「与党が選挙を無効にしようとしている」などと主張し、29日に議会前で行う抗議活動に参加するよう支持者に呼びかけました。
今回の選挙では、投票を前に犯罪組織を通じたロシアの関与が疑われるとして警察が選挙介入の容疑で250か所を捜索、74人を拘束するなど、モルドバの当局はロシアによる選挙介入に警戒を強めています。
ウクライナ ロシアとベラルーシのIPC会員資格停止解除に反発

IPC=国際パラリンピック委員は27日の総会で、ロシアとベラルーシのパラリンピック委員会の会員資格停止を完全に解除することを決め、NHKの取材に対し、両国の選手が来年3月のミラノ・コルティナ大会に国の代表として出場できると明らかにしました。
これに対し、ウクライナ外務省と青年スポーツ省は27日、共同で声明を出し「決定は恥ずべきことだ。これは事実上、ロシアの侵略やテロなどを助長し、ロシアとベラルーシの政権が責任を免れることを助長するものだ」と強く反発しました。
また、ウクライナメディアは27日、ビドニー青年スポーツ相がミラノ・コルティナ大会について「ウクライナが参加するかどうかは後日、決定する」と述べたと報じています。
一方、ロシアのデクチャリョフ・スポーツ相は27日、SNSで「国際的なスポーツの舞台におけるわれわれの選手たちの権利を完全に回復するための重要な一歩だ」と表明し、今回の決定を歓迎する意向を示しました。
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