ニューヨークのウォール街=遠藤啓生撮影

【NQNニューヨーク=矢内純一】1日の米株式市場でダウ工業株30種平均は一進一退で始まり、午前9時35分現在は前日比54ドル53セント安の4万6343ドル36セントで推移している。政府機関の一部閉鎖が米経済を下押しするとの懸念が株売りを誘っている。半面、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測は下値を支えている。

与野党の対立で10月から始まる新しい会計年度の予算をまかなう「つなぎ予算」が成立せず、米連邦政府予算が1日に失効した。米議会予算局(CBO)の試算では、政府機関の一部閉鎖で政府職員のおよそ75万人が一時帰休となる。1日あたりおよそ4億ドルの報酬の支払いが止まるという。

市場では「政府閉鎖が長引けば、米国の消費や企業収益に悪影響を与える可能性がある」(インタラクティブ・ブローカーズのホセ・トーレス氏)との見方がある。労働省や商務省などがまとめる経済指標も従来の予定通りに公表されない公算が大きい。

1日朝発表の9月のADP全米雇用リポートで、非農業部門の雇用者数は前月比3万2000人減だった。ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(4万5000人増)に反し、減少した。8月分も下方修正された。労働市場の減速を背景にFRBが10月も利下げをするとの見方が強まり、株式相場を支えている面がある。

ダウ平均の構成銘柄では、ウォルマートやボーイング、シスコシステムズが下落している。アマゾン・ドット・コムやエヌビディアも売られている。半面、ナイキが高い。前日に発表した2025年6〜8月期決算で売上高が市場予想を上回り、好感した買いが入っている。メルクとアムジェンも上昇している。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反落して始まった。

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