
【NQNニューヨーク=横内理恵】2日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5日続伸で始まった。午前9時40分現在は前日比66ドル18セント高の4万6507ドル28セントで推移し、前日に付けた最高値を上回っている。米利下げ観測が相場を支えている。
1日発表の9月のADP全米雇用リポートでは非農業部門の雇用者数(政府部門除く)が減少した。米連邦準備理事会(FRB)が利下げを続けるとの観測が強まった。最近の株高に出遅れていた銘柄への物色が続いているほか、人工知能(AI)関連の半導体やハイテクの一角にも買いが入っている。
10月からの新会計年度の歳出をまかなうための「つなぎ予算」が成立せず、米連邦政府機関の一部閉鎖が2日目に入った。過去の事例では株式相場への影響が限られたものの、混乱が広がることへの警戒は相場の上値を抑えている。
トランプ米政権は政府閉鎖を機に一部の職員を解雇する方針を示している。トランプ氏は2日朝、米行政管理予算局(OMB)のボート局長とともに対象とする機関を決めると表明した。ベッセント米財務長官は米CNBCテレビの番組で「米国内総生産(GDP)への打撃になるかもしれない」と警告した。
政府閉鎖中には多くの経済指標の発表が止まる。2日は週間の米新規失業保険申請件数が公表されず、3日の9月の米雇用統計も延期されるとみられる。閉鎖が長引くほど米経済への影響が大きくなる。
米東部時間2日午前時点で賭けサイトのポリマーケットでは政府閉鎖が15日以上続くとの予想確率が4割弱ともっとも高く、同カルシでは10日以上続くとの予想が約6割となっている。
ダウ平均ではナイキやキャタピラー、スリーエム(3M)などが高い。一方、ウォルト・ディズニーやウォルマート、コカ・コーラなどが売られている。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は5日続伸して始まり、22日に付けた最高値(2万2788)を上回る場面がある。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)などの上昇が目立つ。
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