ネパールやインドでモンスーン(季節風)による豪雨で洪水や土砂崩れが相次ぎ、現地メディアによると、5日までに両国で少なくとも計56人が死亡した。ネパール全土で11人が行方不明になっているという。

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 ネパールでは3日以降、東部を中心に各地で洪水や地滑りが発生。地元英字紙カトマンズ・ポストは、5日までに少なくとも39人が死亡したと報じた。

 地元の警察当局によると、このうち36人がインド北東部と国境を接する東部コシ州で死亡した。山間部で起きた土砂崩れや洪水に巻き込まれたという。ほかの3人は、南東部マデシ州で落雷により死亡した。また、全土で計11人が行方不明となっている。多くの主要河川で水位が上昇し、当局が警戒を呼びかけている。中部では土砂崩れにより、複数地点で高速道路が通行止めになった。

 ネパール東部と近接するインド東部の西ベンガル州ダージリンでも豪雨による地滑りが起きた。地元メディアのNDTVは5日、少なくとも17人が死亡したと報じた。NDTVは、濁流で河川にかかる橋が傾いたり、道路が崩落したりした映像などを伝えた。

 この水害の影響で、北隣のシッキム州などとの間をつなぐ幹線道路も寸断されているという。インドのモディ首相は5日、X(旧ツイッター)に「深く心を痛めている」と投稿した。

 南アジアでは毎年6~9月ごろにモンスーンの影響で雨量が増え、土砂崩れや鉄砲水などが頻発している。

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