
【パリ=北松円香】フランスで5日、ルコルニュ首相率いる内閣の顔ぶれがようやく発表された。安定性を重視したとみられ、ほとんどの主要閣僚がバイル前内閣から続投する。ルコルニュ内閣は前内閣の財政再建路線を継承する見通しで野党は強く反発しており、これから始まる2026年度予算案の審議は難航しそうだ。
中道の与党に所属する元産業・エネルギー担当大臣のレスキュール氏が新たに経済・財務相に任命された。与党内では左派寄りとされており、予算案審議で野党の左派との交渉を担うとみられる。
ルコルニュ氏が前内閣で務めていた国防相のポストには、元経済・財務相のルメール氏が就く。ダルマナン法相やルタイヨ内相、バロ外相、元首相のボルヌ国民教育相など、その他の主要な閣僚はほぼ続投する。
ルコルニュ氏は9月上旬に新首相に就任したもののすぐには組閣せず、前内閣の閣僚が暫定的に執務を続けていた。仏議会の通常会期は10月1日にすでに始まっており、13日には政府による予算案の議会提出期限が迫るというタイミングでの組閣となった。
ルコルニュ氏は国民に不評だったバイル氏の祝日削減案は撤回したものの、野党との対立の最大の要因で23年に実施された年金改革については見直さない方針だ。財政赤字の国内総生産(GDP)比は26年度に4.7%と、バイル氏とほぼ同じ目標を掲げている。
仏議会は中道の与党連合と野党の左派や極右の三つどもえ状態で、野党の意向次第では予算案の否決や内閣不信任案の成立が避けられない。左派や極右は富裕層の増税強化や家計の減税などを求めている。
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