ニューヨークのウォール街=遠藤啓生撮影

【NQNニューヨーク=矢内純一】19日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発して始まり、午前9時35分現在は前日比60ドル43セント高の4万4972ドル25セントで推移している。消費関連株やディフェンシブ株の一角に買いが入り、指数を支えている。昨年12月に付けた最高値(4万5014ドル)を上回る場面がある。

ホーム・デポが一時5%あまり上昇した。朝に発表した2025年5〜7月期決算で売上高が市場予想を下回った一方で、26年1月期通期の収益見通しを据え置いた。朝発表の7月の米住宅着工件数は前月比5.2%増と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(2.3%減)に反し、増加した。米住宅市場の改善傾向が示唆されたこともあり、買いが優勢となっている。

米国の労働市場の減速を背景に米連邦準備理事会(FRB)が9月に利下げを再開するとの見方は根強い。利下げ期待も引き続き相場を支えている。22日にはカンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)でパウエルFRB議長が講演する。内容次第で相場が大きく動く可能性がある。注目イベントを前に持ち高を調整する動きが出やすく、ハイテク株の一部には売りが出ている。

そのほかのダウ平均の構成銘柄では、シャーウィン・ウィリアムズやメルクが高い。マクドナルドやウォルマート、ナイキも上昇している。半面、ユナイテッドヘルス・グループやアマゾン・ドット・コム、ボーイングが下げている。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は反落して始まった。アルファベットやメタプラットフォームズが下落している。一方、情報セキュリティーのパロアルト・ネットワークスが上昇している。前日夕に発表した25年5〜7月期決算で売上高と特別項目を除く1株利益が市場予想を上回り、好感した買いが入っている。ソフトバンクグループが20億ドルを出資すると発表したインテルも高い。

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