車から引きずり降ろされるスマホひったくり犯、逮捕の瞬間。
イギリスのロンドン警視庁が公開したこの映像は、史上最大の壊滅作戦と称して決行された大規模な摘発の一部始終です。
背景にあるのは、ロンドンで深刻な問題となっている犯罪の急増です。
ロンドンで急増しているのがスマホを狙った犯罪です。
街の防犯カメラがとらえた犯行の瞬間。
ひったくり犯は、歩行者の背後から電動バイクで接近するや相手のスマホを奪い、猛スピードで逃走しました。
さらに別のカメラでは、同じく電動バイクに乗ったひったくり犯がバス停にいる女性にゆっくりと近づくと、女性の手からスマホを奪い走り去る様子が捉えられていました。
犯行に使われているのは「Eバイク」と呼ばれる電動バイク。
FNNは、2025年4月この問題について放送していました。
「Eバイク」は一見、日本の電動アシスト自転車のようなものですが、足でこがなくても前に進むことができ、かなりのスピードが出ます。
この「Eバイク」が犯行に使われる理由は、電動ゆえの特性にあるとみられています。
走行音がとても静かなため、気づかれないで人に近づくことができるんです。
ひったくりの被害に遭ったというサハルさんは、当時の状況を「突然後ろから手が伸びてきて、すごい力で(スマホを)奪われた」と振り返ります。
被害に遭ったのは、その1回だけではありませんでした。
ひったくり被害に遭ったサハルさん:
実は私3回も被害に遭っているんです。(3回も?)そうよ!「一度なら相手のせい、二度なら自分のせい」って言いますよね。でも、これは単に私の不注意ではなく町全体の問題だと思います。
ロンドンでは2024年1年間で、約8万台のスマートフォンが盗難被害に遭いました。
なぜロンドンで、これほどまでにスマホのひったくり事件が増えているのか。
セキュリティー会社は「ロンドンは人口が非常に多く、観光客もたくさん訪れます。その中にはこの問題の深刻さを知らない人もいます。警戒の意識が低いからです」と指摘します。
こうした事態の深刻化を受け、ロンドン警視庁は今回、史上最大の壊滅作戦と称し、犯罪組織の壊滅に乗り出したのです。
逃げるひったくり犯を上空から追跡。
容疑者を特定し、次々と逮捕に踏み切りました。
車から引きずり降ろされ取り押さえられる容疑者。
こうして公開された映像には、携帯ショップに踏み込み、容疑者を取り押さえる場面も記録されていました。
ロンドン警視庁は、今回の大規模作戦により、1年間に盗まれた携帯電話4万台を中国に密輸した疑いがある犯罪組織を壊滅させ、46人を逮捕したと発表。
今後、犯罪組織の実態解明を進める方針です。
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