
【ソウル=小林恵理香】韓国の鄭東泳(チョン・ドンヨン)統一相は14日、国会の国政監査で、10月末に韓国南東部・慶州(キョンジュ)で開くアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を機に米朝首脳会談が実現する可能性があると言及した。
鄭氏は「公開された情報と資料を分析すると、米朝双方の首脳は準備ができている状態だ」と述べた。米朝首脳会談が実現すれば、会談場所は韓国と北朝鮮の軍事境界線にある板門店が現実的だとの考えも示した。
北朝鮮が米国との対話に臨む前に軍事パレードやミサイル発射で核武力を誇示する傾向があるとも指摘した。2018年6月に米朝首脳が初めて会談した際は、その前の17年11月に北朝鮮が新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射したことなどを例に挙げた。
北朝鮮は10日、朝鮮労働党創建80年記念の軍事パレードで新型のICBMなど最新兵器を公開した。鄭氏は「核武力を誇示した」と話し、こうした北朝鮮の動きは「非常に大きな意味を持つ」と強調した。
韓国の李在明(イ・ジェミョン)政権も南北対話の実現に向け体制を整える。14日、李政権は尹錫悦(ユン・ソンニョル)前政権下で縮小・廃止された南北会談や北朝鮮との平和交流を担当する部署を復活させる方針を明らかにした。
統一省の資料によると南北当局間の対話を企画・支援する「南北会談本部」や南北間の経済協力と人的交流を支援する「平和交流室」などを再び設置する。統一省の定員は現在の533人から600人に増やす。組織改編は11月初めにも施行される見通しだ。
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