
【エルサレム、ニューヨーク=共同】国連人道問題調整室(OCHA)は14日、パレスチナ自治区ガザでの停戦発効により、3日間で支援物資数千トンが搬入されたと明らかにした。ただイスラエルは14日、国連に対し物資を搬入するトラックの数を当初方針から半減させると通知した。イスラム組織ハマスによる人質遺体の返還が遅れていることへの対抗措置とみられ、再び支援が縮小するのを住民は恐れている。
2023年10月からの戦闘に伴う境界封鎖により、深刻な物資不足となったガザでは、人道危機の脱却に向け綱渡りが続いている。イスラエルがその後、搬入量を戻したとの報道もあるが、情報は錯綜している。
ガザの人口は戦闘前で約220万人、2年間に飢えや栄養失調で450人以上が死亡した。ロイター通信によると、イスラエルは停戦を受け、1日約600台のトラックのガザ入域を認める方針を示していたが、15日から1日約300台に制限すると国連に伝えた。
ガザ中部デールバラハで避難生活をするアクラムさん(62)は電話取材に対して「停戦前は缶詰の1日1食だった。(現在は)缶詰と野菜の2食になった」と話した。高騰していた物価が一部落ち着いてきたとしつつ、ガザに搬入される物資の量は「十分ではない」と語った。
搬入されているのは油、砂糖、小麦粉などで、セメントなどの建築資材やテントは入ってきていないと主張した。
OCHA広報担当者は物資搬入で、調理用ガスが7カ月ぶりに届いたと指摘。「住民はそれまで、集めたごみを調理用ガスの代わりに燃やしていた」と述べ、到来する冬への対応や温かい食事のためにも、物資搬入の継続を訴えた。
ガザ和平計画に基づき、ハマスは生存する人質を全員解放したが、人質の遺体についてはまだ一部しか返還していない。
ガザ保健当局は15日、遺体の収容が進んだことなどで戦闘開始後のガザ側死者が6万7938人になったと発表した。
【関連記事】
- ・イスラエル・ハマス、双方とも人質や囚人に暴行か
- ・トランプ氏、ハマス武装解除「力ずくで」 イスラエル軍はガザで発砲
- ・ガザ和平、「第2段階」いばらの道 武装解除や統治・復興は先送り
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。