
【ニューヨーク=竹内弘文】世界最大の運用会社の米ブラックロックが主導する企業・投資家連合は15日、米データセンター事業者のアラインド・データセンターズを買収すると発表した。連合には米マイクロソフトや米エヌビディアも加わり、買収時の企業価値評価は400億ドル(約6兆円)にのぼる。人工知能(AI)普及を見据えて関連インフラへの投資が加速する。
アラインドは、ハイパースケーラーと呼ばれる大手クラウド事業者など向けにデータセンターの設計・建設・運営サービスを手掛けている。開発中も含め、米国や中南米に5ギガ(ギガは10億)ワット相当のデータセンター施設を保有する。
ブラックロックが主導する企業・投資家連合「AIインフラ・パートナーシップ(AIP)」は、豪インフラ投資大手マッコーリー・アセット・マネジメントが投資していたアラインドの全株式を取得することで合意した。規制当局の承認を経て2026年前半の買収完了を見込む。
AIPはAIインフラ投資に特化した企業・投資家連合だ。24年9月にブラックロックとマイクロソフト、エヌビディア、アラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国の投資会社などで設立した。同連合には米起業家イーロン・マスク氏率いるAI開発企業xAIのほか、クウェートやシンガポールの政府系ファンドも参画した。
AIPは機関投資家や企業から300億ドル相当の出資を募り、負債も活用して合計最大1000億ドル相当の投資実行を目指す。今回のアラインドの投資がAIPの投資第1号となる。
AIPの会長も兼任するブラックロックのラリー・フィンク会長兼最高経営責任者(CEO)は声明で「主要企業を結集して民間資本を活用し、AIイノベーションを加速させる」とAIPの狙いを説明した。そのうえで「アラインドへの投資を通じ、AIの未来を支えるインフラ提供という目標に向け前進する」と述べた。
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