国境地帯の町から避難する住民ら(15日、パキスタン西部)=ロイター

【イスラマバード=共同】アフガニスタンのイスラム主義組織タリバン暫定政権と隣国パキスタン政府は15日、国境地帯で続く武力衝突を巡り同日夕からの停戦に合意した。ただ期間についてパキスタンは48時間、タリバン暫定政権は「破られない限り」とし、食い違っている。停戦が継続し、11日の衝突開始以降、高まった緊張が沈静化するかどうかが焦点となる。

一方、アフガンの首都カブールの病院は15日、市内で爆発があり、40人が搬送され、うち5人が死亡したと明らかにした。国営パキスタン・テレビ(PTV)は同日、パキスタン治安当局筋の情報として、武装勢力の潜伏場所を狙いカブールで精密攻撃をしたと報じていた。パキスタン軍は攻撃を発表しておらず、爆発との関連も不明。

タリバン暫定政権のムジャヒド報道官はX(旧ツイッター)に「タンクローリーが爆発し火災が起きた。心配はいらない」と投稿していた。

暫定政権はパキスタンがカブール上空に侵入したなどと訴え、報復として11日に国境地帯の複数地点でパキスタンを攻撃。パキスタンも応戦し、タリバン側の計200人以上を殺害したと発表した。暫定政権もパキスタンの部隊58人を殺害したとしていた。

双方は14〜15日にも国境地帯で交戦。暫定政権は南部カンダハル州で市民12人が死亡したと主張し、パキスタンはタリバンの15〜20人を殺害したとした。

パキスタンはイスラム武装勢力がアフガンを拠点に越境してテロを繰り返していると指摘し、度々越境し空爆。暫定政権はパキスタンの指摘を否定してきた。

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