FRBのミラン理事

【ニューヨーク=秋田咲】米連邦準備理事会(FRB)のミラン理事は16日、足元の米金融政策について「引き締めすぎだ」と話し大幅な利下げを求めた。移民の減少や政府の資金需要の低下で中立金利の水準が押し下げられ「金融政策は以前よりもはるかに引き締め的になっている」との見方を述べた。米住宅市場の悪化にも警戒感を示した。

国際金融協会(IIF)が17日までワシントンで開く国際会議で話した。米国内外から大手金融機関の幹部など約500人が会場に集まり、世界経済や地政学リスク、テクノロジーなどについて議論している。日系では三菱UFJフィナンシャル・グループの三毛兼承会長などが登壇した。

ミラン理事は9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でも0.5ポイントの利下げを主張していた。0.5ポイントは「本当に緊急時にのみ行うべきものであり、今はそのような事態ではない」としつつも、「6週間ごとに0.25ポイントずつのペースでは政策の調整が必要以上に遅くなる」と話した。

背景に米住宅市場の悪化などを挙げた。移民の流入減少という変化は極めて大きく「家賃や住居費の下落を通じて大きなディスインフレが進むだろう」と語った。一方、米経済の動向を示すデータで明らかな過熱感が示された場合には予想外の状況になると話した。

政府閉鎖の影響とFRBが代替手段として参照する情報について問われ、「住宅市場に関してはかなり有用な代替データがある。完全ではないが労働市場にも参照できるデータがある。報道も参照する」と述べた。

FRBのウォラー理事は同日別の会議で講演し、今月28〜29日開催予定のFOMCで0.25ポイント利下げすべきだと主張した。「政策金利の調整は修正に多大なコストがかかる誤りを犯さないよう慎重にすべきだ」と話した。

労働市場に注目していると語り「月間の雇用創出率は低下しているが、それがゼロやマイナスになる可能性には非常に懐疑的だ」と話した。

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