ニューヨークのウォール街=遠藤啓生撮影

【NQNニューヨーク=森川サリー】16日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発して始まり、午前9時35分現在は前日比120ドル43セント高の4万6373ドル74セントで推移している。ハイテク株の一角に買いが入り、相場を支えている。半面、米中の貿易問題を巡る不透明感は根強く、ダウ平均の上値は限られる。

セールスフォースは8%あまり上昇する場面がある。15日に開いた投資家向け説明会で、2030年1月期通期の売上高目標を600億ドル以上にすると発表した。25年1月期から6割ほど増やすことを目指しており、好感した買いが入っている。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、半導体受託生産の台湾積体電路製造(TSMC)が高い。16日に発表した25年7〜9月期決算では、売上高と1株当たり利益が市場予想を上回った。25年12月期通期の売上高見通しも引き上げた。人工知能(AI)向けの半導体需要が好調だとの見方から、ハイテク関連に買いが波及している。

もっとも、米中関係の悪化を巡る警戒は根強く、相場の上値を抑えている。中国は16日、レアアース(希土類)の輸出規制を巡って米国が「恐怖をあおっている」と批判した。ベッセント米財務長官が15日の記者会見で中国を非難したことに対しても、中国は反発する姿勢を示した。

ダウ平均の構成銘柄では、エヌビディアやアマゾン・ドット・コムが高い。ゴールドマン・サックスやキャタピラー、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)にも買いが入っている。半面、ウォルマートやビザが下落している。16日に四半期決算を発表したトラベラーズも安い。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は続伸して始まった。

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