ラジオNIKKEIのポッドキャスト番組「中国経済の真相」に出演した北川敬三氏

台湾の頼清徳(ライ・チンドォー)政権は10日に開いた双十節(建国記念日に相当)の式典で「台湾の盾」と呼ぶ新たな防空システムの構想を明らかにしました。中国側は「台湾を戦争の危険に陥れるだけだ」と強く反発しています。

中国の習近平(シー・ジンピン)政権にとって、台湾統一は悲願です。米国には、中国人民解放軍が2027年までに台湾に侵攻する準備を整えるとの分析もあります。解放軍は台湾に攻め込むだけの実力を備えつつあるのでしょうか。

海上自衛官として31年間の勤務を経て、この春から慶応大学の教授に転じた北川敬三氏はラジオNIKKEIのポッドキャスト番組「中国経済の真相」に出演し「(解放軍は台湾に)侵攻はできるかもしれない。ただ、それを維持するのはかなり難しい」との分析を示しました。

中国大陸と台湾の間には、いちばん狭いところでも100キロ以上の海峡が横たわっています。たとえ上陸に成功してもロジスティクス(補給)の面で大きな困難に直面するのは避けられません。台湾を一時的に制圧しても、占領状態を続けられる「保証はない」というのが北川氏の見方です。

もちろん、だからといって油断はできません。軍事行動を起こすかどうかを最後に判断するのは、最高指導者である習氏です。北川氏は「『2027年』は現実的でないが、備えは必要だ」と強調しています。

北川氏の解説は以下のポッドキャストでお聴きいただけます。

「NIKKEIで深読み 中国経済の真相」番組サイトはこちら
高橋哲史編集委員のX(旧Twitter)アカウントをチェック

詳しい内容は「note(ノート)」でもお読みいただけます。https://note.com/cnshinsou/n/naeedbdbb2b7c?sub_rt=share_pw

(編集委員 高橋哲史)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。