【NQNニューヨーク=戸部実華】21日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸し、終値は前日比218ドル16セント高の4万6924ドル74セント(速報値)だった。3日以来となる最高値を更新した。四半期決算の発表を手掛かりとした買いが一部の銘柄に入り、ダウ平均を支えた。

スリーエム(3M)とコカ・コーラへの買いが目立った。同日発表の2025年7〜9月期決算がいずれも市場予想を上回り、好感した買いが入った。市場では人工知能(AI)銘柄にバブル懸念がくすぶるなかで、ハイテク分野以外に買いが集まったことを前向きに捉える雰囲気があった。ダウ平均の上げ幅は400ドルを超える場面があった。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、ゼネラル・モーターズ(GM)が大幅高となった。四半期決算の発表とあわせ、収益見通しを引き上げたことが買い材料となった。そのほか、医療機器のダナハーや石油サービスのハリバートンなども決算発表をきっかけに買いが集まった。

半面、株式相場は最高値圏にあり、主力株の一角には持ち高調整の売りも出て相場の重荷となった。ダウ平均は前日までの2営業日で754ドル上昇し、短期的な過熱感も意識されやすかった。21日夕にネットフリックス、22日にテスラなど、主要なハイテク企業の決算発表が今週から相次ぐ。巨大ハイテク銘柄の決算を見極めたい投資家も多かった。

トランプ米大統領は21日、「私は(中国の)習近平(シー・ジンピン)国家主席と素晴らしい関係であり、彼と良いディールを結べると予想している」と話したと伝わった。ただ、中国との貿易の不公平さを強調し、予定されている首脳会談が実現しない可能性について言及したため、株式への売りが強まる場面があった。

個別銘柄ではセールスフォースやアマゾン・ドット・コム、ウォルト・ディズニーも買われた。一方、JPモルガン・チェースやアムジェン、エヌビディアは売られた。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落し、終値は前日比36.877ポイント安の2万2953.666(速報値)だった。

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