ロンドンの英国議会周辺=ロイター

【ロンドン=江渕智弘】英統計局が22日発表した9月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で3.8%上昇した。3カ月続けて同じ伸び率だった。しつこいインフレの原因になってきた食料品の伸びの鈍化などで、市場予想の4%を下回った。

予想外に低かったことは追加利下げを模索するイングランド銀行(中央銀行)に追い風となる。CPIの発表を受け、ポンドは円やドル、ユーロに対して下落した。

モノの上昇率は2.9%と前月から0.1ポイント拡大した。エネルギーや衣料品の上昇率が高まった。ノンアルコール飲料を含む食料品は4.5%と前月から0.6ポイント縮んだ。縮小は3月以来となる。サービスは前月と同じ4.7%の上昇だった。

エネルギーや食品を除くコア指数は前月比で0.1ポイント小さい3.5%の上昇だった。

英国のCPIの上昇率は2024年9月の1.7%を底に拡大してきた。政府が4月に実施した国民保険料の企業負担の引き上げなどが要因だった。3.8%の上昇率は主要7カ国(G7)で最も高い。市場ではそろそろ縮小に転じるとの見方が出ている。

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