金価格は22日、前日に過去最高の下落幅を記録したのに続き、下落した=AP

【ニューヨーク=吉田圭織】金(ゴールド)価格の国際指標であるニューヨーク先物の中心限月12月物は22日、前日清算値比43.7ドル(1%)安と1トロイオンス4065.4ドルで取引を終えた。前日に過去最大の下げ幅を記録していたが、この日も下落傾向が続いた。

米金融大手シティグループのダーク・ウィラー氏は日本経済新聞の取材に応じ「金相場は今後数週間から数カ月は横ばい、もしくは下落傾向が続くと予想している。強気相場が再開するには時間がかかる」と話した。金価格の見通しついては約4000ドルで安定すると予想している。

決済サービスのコーペイのチーフ・マーケット・ストラテジスト、カール・シャモッタ氏は「売り圧力は弱まったものの、明確な上昇要因を欠いているため、トレーダーは神経質になっている」と指摘する。

ただ金先物価格は米東部時間の夕方には小幅ながら上昇に転じた。ウィラー氏は利益確定の売りを出す投資家と押し目買いを入れる投資家の間で「綱引き状態になっている」とみる。強弱感が対立しているもようだ。

ウィラー氏によれば、安全資産である金に積極的な買いが戻るには「投資家の不安心理を強めるような材料が必要になる」という。たとえば米連邦準備理事会(FRB)が必要以上に利下げに動いたり、リサ・クック理事の解雇が決まったりすれば「金価格の回復を強く後押しするだろう」と述べた。

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