
【エディンバラ=北松円香】仏自動車大手ルノーが23日発表した2025年7〜9月期の売上高は前年同期比6.8%増の114億ユーロ(約2兆円)だった。欧州内外で販売台数が増え、売上高を押し上げた。特に低価格ブランド「ダチア」がドイツなどで好調だった。通期の業績見通しは据え置いた。
グループ全体の販売台数は52万9486台と前年同期に比べ9.8%増えた。ダチアはドイツやスペインで販売台数を2割伸ばした。6月に欧州市場に投入したSUV(多目的スポーツ車)のビッグスターが好調だったという。
ダンカン・ミント最高財務責任者(CFO)は提携する日産自動車の経営再建について「順調に滑り出しており、今後もフォローしていく」と説明した。同社の株式保有や売却の見通しは「従前の戦略通りだ」と述べた。
ルノーは欧州市場を中心に電気自動車(EV)へのシフトを進めており、7〜9月期のグループ売上高のうち44%がEVなど電動車だった。同比率は前年同期より10.8ポイント上昇した。
ルノーは35年にエンジン車の新車販売を原則禁止する欧州連合(EU)の方針を前提に、EVシフトを進めてきた。だがドイツのメルツ首相が10月に同方針に反対の意向を示しており、今後見直される可能性もある。
仏紙レゼコーは19日、ルノーが現在はEVのみを販売している一部のモデルについて、エンジン車開発の検討を始めたと報じた。EV市場の拡大が同社が想定していたほど進んでいないと指摘した。
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