
【NQNニューヨーク=田中俊行】23日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、終値は前日比144ドル20セント(0.30%)高の4万6734ドル61セントだった。主要企業による2025年7〜9月期決算の発表が本格化するなか、業績が良好な銘柄に買いが入った。米中貿易摩擦を巡る過度な警戒が薄れ、投資家心理が強気に傾いた。
ダウ平均の構成銘柄ではハネウェル・インターナショナルの上昇が目立った。23日に発表した7〜9月期決算では売上高や特別項目を除く1株利益などが市場予想を上回った。好調な業績を確認できた銘柄が物色され、指数を支えた。
米ホワイトハウスのレビット大統領報道官は23日、トランプ米大統領が中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席と30日に韓国で会談すると語った。トランプ氏は中国によるレアアース(希土類)輸出規制を批判し、会談延期の可能性に言及していた。米中首脳会談が実現すれば、一段の関係悪化を避けられるとの期待が広がった。
米財務省は22日、ロシアの石油最大手ロスネフチなどを経済制裁の対象に加えたと発表した。ウクライナを侵略するロシアへの圧力をかけるためで、石油の世界的な需給に影響するとの観測から米原油先物が大幅に上昇した。シェブロンなど石油関連株に買いが入った。
米労働省は24日に9月の米消費者物価指数(CPI)を発表する。「市場予想に沿う内容なら、米連邦準備理事会(FRB)は10月に追加利下げを決めるだろう」(インタラクティブ・ブローカーズのホセ・トーレス氏)といい、米利下げ観測は引き続き相場を支えた。
そのほかのダウ平均の構成銘柄ではスリーエム(3M)やキャタピラー、エヌビディアが上昇した。アマゾン・ドット・コムやゴールドマン・サックスも買われた。一方、前日夕に7〜9月期決算を発表したIBMが下落した。ベライゾン・コミュニケーションズやコカ・コーラも安かった。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに反発した。終値は前日比201.402ポイント(0.88%)高の2万2941.798(速報値)だった。
前日夕に発表した7〜9月期決算で1株利益が予想を下回ったテスラは売りが先行したが、上昇して取引を終えた。マイクロン・テクノロジーやラムリサーチなど半導体関連株への買いが目立った。アルファベットも高かった。
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