アメリカ国務省は20日、オランダのハーグにあるICCの裁判官や検察官あわせて4人に対し、アメリカ国内の資産を凍結するなどの制裁を科すと発表しました。

ICCは去年11月、ガザ地区での戦闘をめぐりイスラエルのネタニヤフ首相らに戦争犯罪などの疑いで逮捕状を出していて、国務省は4人のうち3人について逮捕状の承認や維持などに関与したとしています。

また、もう1人はアフガニスタンでのICCによるアメリカ人への捜査を承認したとしています。

ルビオ国務長官は声明のなかで、ICCについて「アメリカや、緊密な同盟関係にあるイスラエルに対する国家安全保障上の脅威だ」と批判しています。

トランプ大統領はことし2月、ICC職員などへの制裁を可能にする大統領令に署名し、6月には、国務省が裁判官4人に対する制裁を発表しました。

トランプ政権は、今回の措置でイスラエルを擁護し、ICCへの圧力を強める姿勢を改めて鮮明にした形です。

ICCには日本やパレスチナ暫定自治政府など125の国や地域が加盟し、所長は日本人の赤根智子氏がつとめていますが、アメリカやイスラエルは加盟していません。

ICC「司法機関の独立性に目に余る攻撃」

アメリカのトランプ政権が裁判官など4人に新たに制裁を科すと発表したことについて、ICCは声明を出し「発表を遺憾に思う。公平な司法機関の独立性に対する目に余る攻撃だ」と非難しています。

その上で「法の支配などの価値観を共有する締約国やすべての人々が、国際犯罪の被害者の利益のためだけに取り組むICCに対し、強く一貫した支援を提供するよう求める」としています。

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