トランプ米大統領とブラジルのルラ大統領が26日、訪問先のマレーシア・クアラルンプールで会談した。両氏は、ブラジルのボルソナーロ前大統領への対応などをめぐって対立を深めてきた。

 両氏は東南アジア諸国連合(ASEAN)関連会合などのため、クアラルンプールを訪れている。

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 トランプ氏は会談冒頭、「会えてとても光栄だ。我々はきっといい関係を築けると思う」と述べ、関税などをめぐっても「いいディール(取引)ができるだろう」と述べた。

 トランプ氏は記者団から自身が親しかったボルソナーロ前大統領について問われると、「いつも気に入っていた」と答えた。クーデター未遂の罪で起訴(9月に有罪判決)されたことなどを念頭に「彼の身に起きたことは本当に気の毒だ」と述べた。

 一方、ルラ氏は会談冒頭の報道陣とのやりとりについて、時間を無駄にしたくないなどとして切り上げるよう求めた。

 トランプ氏は7月、ボルソナーロ氏に対する訴追を「魔女狩りだ」と主張し、ブラジルからの輸入品にかける関税を10%から50%に引き上げると表明した。

 もともとトランプ氏の関税政策に批判的だったルラ氏は、「米政府によるブラジルの司法への干渉は到底容認できない」と反発。9月の国連総会の一般討論演説でも、暗に米国の措置を批判していた。このときはトランプ氏がルラ氏の直後の演説で、ブラジルを名指しし、「今後も低迷を続けるだろう」などと攻撃した。

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